2022年の前半に在った、日本習字学会の昇段試験、書初め展の結果など「嬉しかった事」のblogを書いてみます♪

3月の昇段試験

日本習字学会は年に2回、3月と8月に昇段試験があります。教室長に「受験の実力あり」と認められた人は挑戦できるシステム。和蘭みずくき会には現在「実力あり」の方が6~7人程いらっしゃいます。試験課題は試験の4か月程前に発表されます。毎月の課題(競書と言います)に加えて試験課題を仕上げるため、受験予定の方は結構忙しい事に成ります。

和蘭みずくき会の生徒さんは「日本語話者」では無いので、日本人の生徒さんよりもハードルが高く成りますが、「楽しみつつ仕上げられる」を大切にしつつ確実な合格を目指しています。

初段や2段の試験は、もう少し緩く指導しても合格するのかも知れません。ですが、どの段位に挑戦しても同じ姿勢で向かえる準備をして頂くつもりで、厳しい指導に成っていると思います。それでも、皆さん挫けず、真摯に向き合い、本当に力強い素敵な作品を仕上げてくれるので頼もしくて・・・感動します。

合格基準は70点。69点でも落第します。「70点」は所謂「100点」に当たるそうです。なので「普通以上の何か」があると71点や72点と言う「高得点」を頂けます。

高得点で合格♪

3月の試験は、毎月の競書に加え書初め展の作品作りも重なり、かなり忙しい中での受験です。それでも、皆さん素晴らしく集中して実力を発揮して下さり、全員合格!仕事の都合で練習量が少なかった人を除く全員に71点の高得点を頂くことが出来ました!皆の頑張りが審査員の先生に認めて頂けたそうです。「とにかく段級を上げてしまう」という考え方も有りますが、私は「試験」は「書が心の芯に通じる事」を更に実感できる「機会」と捉え、大事に考えています。その結果が形として返って来ると、言葉に成らない感動があり、その感動をみんなで一緒に味わえる事を本当に有難いと思います。

東京美術協会賞受賞

以前の記事書初め展への作品作り奮闘記でも書きましたが、コロナの影響で日本への作品郵送に不安があり、今年(2022年)2月に行われた書初展への出品作品は、今までに無い「早急な仕上げ」と成ってしまいました。

昨年(2021年)は、台湾出身の林立之さんが東京美術協会賞を頂いたのですが、今年は「無理だろうなあ」と諦めていました。

ところがなんと!オランダ人のElse van der Kanp(恵留誓)さんが、同じ賞を受賞!! 

記念トロフィー

彼女は今年9月で入会から5年目に入ります。毎月きちんとお稽古に通ってきてくれて、初段にも合格しました。益々腕を上げ、これからが楽しみな人の一人です。

幸子さんは推選賞、シルビア(銀羊)さんが特選を頂きました。

こうして皆の実力を「形」として感じる事が出来、始めた頃から今までを振り返りつつ、喜びもまた一入。本当に頼もしく、誇らしく・・・。

そして私自身も、猶更に氣を引き締めて精進し、指導していかなければ・・・と背筋を正して作品を見つめました。

仮名作品の二重丸

和蘭みずくき会では、(財団法人)日本習字学会発行の「習字クラブ」と言う機関誌で書道を学びます。毎月、各自のレベルに合った手本を学び、清書(=最高作)を本部に送り審査を受けます。審査結果は参加生徒の名前と一緒に習字クラブに掲載されます。良く出来た作品には作者の名前の上に丸が付き、殊更に良く出来た作品には二重丸が付き、機関誌に作品の写真が掲載されます。

日本習字学会は年齢別の手本で学ぶシステムですが、日本語話者では無い和蘭みずくき会の生徒さんは、基本的に幼稚園レベルの手本から始めます。昇級に応じて小学校、中学校とレベルを上げて行きます。一般のレベルに達するまでは二重丸の審査対象外です。

一般レベルに成ると仮名の手本も学び始める為、毎月2つの清書(仮名と大筆の文字)を仕上げます。通常の日本人でも読めない変体仮名の手本を学ぶので、時間が掛かるのは当然。それでも一歩一歩、皆上達しています。

今年は初めてEmile Nalesさんが仮名作品で写真掲載されました♪

彼は8年前の夏から教室に通い始め、現在は2段合格まで残り一科目にまで上達しています。 彼は日本語の勉強もしていて、硬筆作品は一度掲載された事が在ります。

日本で日本語コースに通った時にノートの字を先生に褒められたと彼から聞いた時は、私の方が誇らしかった♪

そして今回は毛筆、しかも仮名作品での掲載。・・・ちょっと泣きそうな位嬉しかったです。

2022年後半に向けて

嬉しい事に現在は全てのクラスがほぼ満員。8年半の時間を経て「書の指導のコツ」も「オランダ語」も、少~し掴めて来ましたので、別クラス作りも念頭に、少しずつ「書道の宣伝をしたい」という気持ちに成って参りました。

最初の宣伝活動として、10月8、9日の二日間、Leekの「Nienoord」と言う大きな公園の中の美術館で開かれる「Kunst op Nienoord 2022」に参加します!

そこでは、生まれて初めて「書のデモンストレーション」をする予定です。頼まれても居ない書の作品を、自分から販売する事も初めてです。まずは腕試しと言う事で、挑戦しようと思います。

書作品の販売は勿論の事、何より「書に興味を持っていただける人」が増えると良いなと思います。

これについてはまた後日ご報告いたします♪

2022年も後半のお稽古が始まります。毎年、9月から年末にかけて「光陰矢の如し」で過ぎますが「一期一会」の気持ちで、書初め展も含め、皆で集中して書作品を仕上げて行きたいと思います。

error: Content is protected !!