書き始める

2022年も始まりましたね、明けましておめでとうございます。

今年はブログも、マメに更新していく予定です。

本年もよろしくお願いいたします。

いつも通りの年越しの様で、どこか「妙に」新しく感じています。

今年は元旦から書のお稽古

書初め展の作品作り

毎年2月に日本習字学会主催の書初展覧会があり、和蘭みずくき会からも生徒さんが参加します。各教室の先生方も審査対象外の賛助作品として出品する事が多く、私も毎年参加しています。

今回は取り掛かるのが遅かったので、自運は諦め、有名な先生の作品を臨書して出品する事にしました。

臨書と自運

「臨書」は、簡単に言えば「コピーする」と言う事です。古典作品や名作を「真摯に真似る」事は、技術面の向上に加え、作者の思いを汲み取る鍛錬になります。「見える物」や「気付く事」が沢山あり、書を学ぶ上では欠かせない鍛錬法です。

「自運」とは自分で創作した字や作品の事です。

自運の作品は「自己満足」で「独りよがり」な字になりがちですが、「臨書」をすることで「自分が求める物」を再確認する事にもつながる、本当に深く、終わりの無い「発見作業」。

同じ、でも違う

以前は毎月競書出品の為に臨書作品を仕上げていたのですが、購読していた機関誌が発行停止してから、すっかり「手習い程度に臨書をする」に留まり、ちょっと怠けてしまっています。

今回の書初展覧会用に選んだのは、その機関誌に掲載されていた作品で、10年以上昔、南澤先生の下で臨書制作をしていた際、先生に作って頂いた「お手本」があります。先ずは「それ」を見ずに「有名な先生」のお手本から直接臨書しましたが、中々気持ちが入ってこない。少々焦っているのもあり、非常に・・・マズイ状態。

何枚か書いて、南澤先生のお手本を並べて眺めて観る。

すると、驚く程「その作品」が分かりました。「心のピントが合う」という感じ。

お手本からは南澤先生の声が聞こえてくる・・・ああ、私は本当に丁寧に育てて頂いたんだなと、何だか泣けてきました。

書は「ただ書く」だけではなく・・・

「書」は魂の深いところに繋がっている様で、「書」を信頼できる人の助けを受けて育てていく事は、ただ「字を学ぶ」のとは違う、深い意味を帯びている事なのだと、先生のご指導を受けられない環境になった今、更に深く感じ入りました。先生に会いたいなあ・・・(涙)

今は人様に指導させていただくのが私のお仕事になり、皆さんと一緒に成長している最中ですが、私も生徒さんの中に「作品の見方」を残せる様な先生になって行きたいな・・・と改めて背筋を正した2022年のお正月でした。

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